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心理学と旅

「好き」を説明するほど冷める理由

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考える自分と感じる自分は別人

「わたしのどこが好きなの?」

『んー、、優しいところ』

 

「このワイン何で好きなの?」

『飲みやすいからかな』

 

自分の「好き」な理由について説明する場面って多いですよね。

 

人に感情をシェアしたかったり、自分はなぜこれを好きなのか納得するために説明したくなったりすると思います。

 

しかし、心理学的な観点から「好き」を説明することによって気持ちが小さくなってしまうということが考えられます。

 

信じられない!という方もいると思うので説明していきます。

 

この説はいくつかの研究が根拠になりますが、そのうちの1つを紹介します。

 

大学生のカップルを対象とした調査

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①実験参加者をAグループとBグループに分ける

②Aグループだけに「なぜ今の恋人と交際しているのか」について紙1枚分書いてもらう。Bグループには恋愛とは全く関係ない文章を紙1枚分書いてもらう。

③6か月後、Bグループのほうが交際が続いている確率が高かった。

 

つまり「好き」を説明していないほうが関係が長続きした

 

なぜこのようなことが起こるのか

 

それは頭を使って考えるほど、感情の大きさは小さくなるからです

 

仕事や勉強などで頭を使っているモードの自分と、友達や恋人や家族と楽しんだりして感情があふれているモードの自分って違いますよね。

 

簡単に言うと思考と感情は両立しにくい関係なのです。

 

そのため「好き」を分析して理由を説明しようとすると、「好き」という感情が小さくなるというわけです。

 

逆にあいまいな現象は感情への影響が大きいということもいえます。

 

例えばモナ・リザって世界中で人気ですよね。あの微笑は喜んでいるのか悲しんでいるのかよくわかりません。

 

「いったいモナ・リザはどういう気持ちなの!」と気になって考え続けててしまうところが魅力的ともいえるのです。

 

「モナ・リザの嬉しそうな顔と色使いが好き」などと言ってしまうとなんだか冷めてしまうような気持ちになります。

 

 

感情の理由を正確に説明するのは難しい

 

「好き」を説明することでメリットもあると思います。例えば次に好きな物を選ぶときに参考になるかもしれません。

 

しかし自分が「好き」な理由の本質を探るのは思っているより難しいかもしれません。

 

例えば上に挙げたワインの例。専門家でもない私たちは味の表現方法など知りません。

そのため好きな理由を「飲みやすいから」というもっともらしいことを言ったりします。

「飲みやすい」ということが「好き」の本質を表しているといえるでしょうか。

 

もしかしたら、そんなに重要ではないにもかかわらず「飲みやすい」という理由が思いつきやすかっただけかもしれません。

 

そして一度つけた理由は自分にとって大きな意味をもち始めます。

 

理由をつけたことによって世の中の「飲みやすい」ワインと自分が「好き」と感じたワインが混ざっていまったりします。

 

このように「好き」に理由をつけることで本当の感情がハッキリするのではなく見えにくくなるということが起こり得るのです。

 

それでは本末転倒ですよね。

 

 

感情を大切にするために思考をセーブする

 

以上のように「好き」な理由を説明すると、今感じている気持ちが冷めて経験が台無しになってしまうかもしれません。

 

つい理由を説明したくなったりしますが、いまここの幸せを最大限感じるためには言葉にならない感情や経験をそのまま味わうことが大切だといえます。

 

ぜひ試していただけたらなと思います。

 

 

 

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